家事審判法 |
第2章 審 判 *************************** 第9条 家庭裁判所は、次に掲げる事項について審判を行う。 < 甲 類 > 1. 民法(明治29年法律第89号)第7条及び第10条の規定による後見開始の審判及びそ の取消し 2. 民法第11条、第12条第2項及び第3項、第13条並びに第876条の4第1項及び第3 項の規定による保佐開始の審判、その取消しその他の保佐に関する処分 2の2.民法第14条第1項、第16条第1項及び第3項、第17条、第876条の9第1項並 びに同条第2項において準用する同法第876条の4第3項の規定による補助開始の審判、 その取消しその他の補助に関する処分 2の3.民法第18条の規定による後見開始、保佐開始又は補助開始の審判の取消し 3. 民法第25条乃至第29条の規定による不在者の財産の管理に関する処分 4. 民法第30条及び第32条第1項の規定による失踪の宣告及びその取消 5. 民法第775条の規定による特別代理人の選任 6. 民法第791条第1項又は第3項の規定による子の氏の変更についての許可 7. 民法第794条又は第798条の規定による養子をするについての許可 7の2.民法第811条第5項の規定による未成年後見人となるべき者の選任 8. 民法第811条第6項の規定による離縁をするについての許可 8の2.民法第817条の2及び第817条の10の規定による縁組及び離縁に関する処分 9.民法第822条又は第857条(同法第867条第2項において準用する場合を含む。)の規定による懲戒に関する許可その他の処分 10.民法第826条(同法第860条において準用する場合を含む。)の規定による特別代理人の選任 11.民法第830条第2項乃至第4項(同法第869条において準用する場合を含む。)の規定による財産管理者の選任その他の財産の管理に関する処分 12.民法第834条乃至第836条の規定による親権又は管理権の喪失の宣告及びその取消 13.民法第837条の規定による親権又は管理権を辞し、又は回復するについての許可 14.民法第840条、第843条第1項から第3項まで(同法第876条の2第2項及び第876条の7第2項において同法第843条第2項及び第3項の規定を準用する場合を含む。)、第849条、第849条の2、第876条の2第1項、第876条の3第1項、第876条の7第1項又は第876条の8第1項の規定による後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人の選任 15.民法第844条(同法第852条、第876条の2第2項、第876条の3第2項、第876条の7第2項及び第876条の8第2項において準用する場合を含む。)の規定による後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人の辞任についての許可 16.民法第846条(同法第852条、第876条の2第2項、第876条の3第2項、第876条の7第2項及び第876条の8第2項において準用する場合を含む。)の規定による後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人の解任 17.民法第853条第1項ただし書(同法第867条第2項において準用する場合を含む。)の規定による財産目録の調製の期間の伸長 18.民法第859条の2第1項及び第2項(同法第852条、第876条の3第2項、第876条の5第2項、第876条の8第2項及び第876条の10第1項において準用する場合を含む。)の規定による数人の成年後見人、成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人の権限の行使についての定め及びその取消し 19.民法第859条の3(同法第852条、第876条の3第2項、第876条の5第2項、第876条の8第2項及び第876条の10第1項において準用する場合を含む。)の規定による成年被後見人、被保佐人又は被補助人の居住用不動産の処分についての許可 20.民法第862条(同法第852条、第867条第2項、第876条の3第2項、第876条の5第2項、第876条の8第2項及び第876条の10第1項において準用する場合を合む。)の規定による後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人に対する報酬の付与 21.民法第863条(同法第867条第2項、第876条の5第2項及び第876条の10第1項において準用する場合を含む。)の規定による後見、保佐又は補助の事務の報告、財産目録の提出、当該事務又は財産の状況の調査、財産の管理その他の当該事務に関する処分 22.民法第870条ただし書(同法第876条の5第3項及び第876条の10第2項において準用する場合を含む。)の規定による管理計算の期間の伸長 22の2.民法第876条の2第3項又は第876条の7第3項の規定による臨時保佐人又は臨時補助人の選任 23.民法第895条の規定による遺産の管理に関する処分 24.民法第915条第1項但書の規定による相続の承認又は放棄の期間の伸長 25.民法第918条第2項及び第3項(同法第926条第2項、第936条第3項及び第940条第2項において準用する場合を含む。)の規定による相続財産の保存又は管理に関する処分 25の2.民法第919条第3項の規定による相続の限定承認又は放棄の取消の申述の受理 26.民法第924条の規定による相続の限定承認の申述の受理 27.民法第930条第2項(同法第947条第3項、第950条第2項及び第957条第2項において準用する場合を含む。)、第932条但書(同法第947条第3項及び第950条第2項において準用する場合を含む。)又は第1029条第2項の規定による鑑定人の選任 28.民法第936条第1項の規定による相続財産の管理人の選任 29.民法第938条の規定による相続の放棄の申述の受理 30.民法第941条第1項又は第950条第1項の規定による相続財産の分離に関する処分 31.民法第943条(同法第950条第2項において準用する場合を含む。)の規定による相続財産の管理に関する処分 32.民法第952条及び第953条又は第958条の規定による相続財産の管理人の選任その他相続財産の管理に関する処分 32の2.民法第958条の3第1項の規定による相続財産の処分 33.民法第976条第4項又は第979条第3項の規定による遺言の確認 34.民法第1004条第1項の規定による遺言書の検認 35.民法第1010条の規定による遺言執行者の選任 36.民法第1018条第1項の規定による遺言執行者に対する報酬の付与 37.民法第1019条の規定による遺言執行者の解任及び遺言執行者の辞任についての許可 38.民法第1027条の規定による遺言の取消 39.民法第1043条第1項の規定による遺留分の放棄についての許可 < 乙類 > 1. 民法第752条の規定による夫婦の同居その他の夫婦間の協力扶助に関する処分 2.民法第758条第2項及び第3項の規定による財産の管理者の変更及び共有財産の分割に関する処分 3. 民法760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担に関する処分 4.民法第766条第1項又は第2項(同法第749条、第771条及び第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護者の指定その他子の監護に関する処分 5.民法第768条第2項(同法第749条及び第771条において準用する場合を含む。)の規定による財産の分与に関する処分 6.民法第769条第2項(同法第749条、第751条第2項、第771条、第808条第2項及び第817条において準用する場合を含む。)又は第897条第2項の規定による同条第1項の権利の承継者の指定 6の2.民法第811条第4項の規定による親権者となるべき者の指定 7.民法第819条第5項又は第6項の規定による親権者の指定又は変更 8.民法第877条乃至第880条の規定による扶養に関する処分 9.民法第892条乃至第894条の規定による推定相続人の廃除及びその取消 9の2.民法第904条の2第2項の規定による寄与分を定める処分 10.民法第907条第2項及び第3項の規定による遺産の分割に関する処分 《改正》平11法151 2 家庭裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に家庭裁判所の権限に属させた事項についても、審判を行う権限を有する。 第10条 参与員の員数は、各事件について1人以上とする。 2 参与員は、家庭裁判所が毎年前もつて選任する者の中から、家庭裁判所が各事件についてこれを指定する。 3 前項の規定により選任される者の資格、員数その他同項の選任に関し必要な事項は、最高裁判所がこれを定める。 第10条の2 参与員には、最高裁判所の定める旅費、日当及び宿泊料を支給する。 第11条 家庭裁判所は、何時でも、職権で第9条第1項乙類に規定する審判事件を調停に付することができる。 第12条 家庭裁判所は、相当と認めるときは、審判の結果について利害関係を有する者を審判手続に参加させることができる。 第13条 審判は、これを受ける者に告知することによつてその効力を生ずる。但し、即時抗告をすることのできる審判は、確定しなければその効力を生じない。 第14条 審判に対しては、最高裁判所の定めるところにより、即時抗告のみをすることができる。その期間は、これを2週間とする。 第15条 金銭の支払、物の引渡、登記義務の履行その他の給付を命ずる審判は、執行力ある債務名義と同一の効力を有する。 第15条の2 第9条第1項甲類に掲げる事項についての審判(戸籍の記載又は後見登記等に関する法律(平成11年法律第152号)に定める登記の嘱託を要するものとして最高裁判所の定めるものに限る。以下この条において同じ。)が効力を生じた場合又は次条第1項の規定による審判(同条第5項の裁判を含む。)が効力を生じ、若しくは効力を失つた場合には、裁判所書記官は、最高裁判所の定めるところにより、遅滞なく、戸籍事務を管掌する者又は登記所に対し、戸籍の記載又は後見登記等に関する法律に定める登記を嘱託しなければならない。 《改正》平11法152 第15条の3 第9条の審判の申立てがあつた場合においては、家庭裁判所は、最高裁判所の定めるところにより、仮差押え、仮処分、財産の管理者の選任その他の必要な保全処分を命ずることができる。 2 前項の規定による審判(以下「審判前の保全処分」という。)が確定した後に、その理由が消滅し、その他事情が変更したときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。 3 前2項の規定による審判は、疎明に基づいてする。 4 前項の審判は、これを受ける者に告知することによつてその効力を生ずる。 5 第9条に規定する審判事件が高等裁判所に係属する場合には、当該高等裁判所が、第3項の審判に代わる裁判を行う。 6 審判前の保全処分(前項の裁判を含む。次項において同じ。)の執行及び効力は、民事保全法(平成元年法律第91号)その他の仮差押え及び仮処分の執行及び効力に関する法令の規定に従う。この場合において、同法第45条中「仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所」とあるのは、「本案の審判事件が係属している家庭裁判所(その審判事件が高等裁判所に係属しているときは、原裁判所)」とする。 7 民事保全法第4条、第14条、第15条及び第20条から第24条までの規定は審判前の保全処分について、同法第33条及び第34条の規定は審判前の保全処分を取り消す審判について準用する。 《改正》平12法142 第15条の4 家庭裁判所は、遺産の分割の審判をするため必要があると認めるときは、相続人に対して、遺産の全部又は一部について競売し、その他最高裁判所の定めるところにより換価することを命ずることができる。 2 前条第2項の規定は、前項の規定による審判について準用する。 3 前2項の規定は、民法第958条の3第1項の規定による相続財産の処分の審判について準用する。この場合において、第1項中「相続人」とあるのは、「相続財産の管理人」と読み替えるものとする。 第15条の5 家庭裁判所は、権利者の申出があるときは、審判で定められた義務の履行状況を調査し、義務者に対して、その義務の履行を勧告することができる。 第15条の6 家庭裁判所は、審判で定められた金銭の支払その他の財産上の給付を目的とする義務の履行を怠つた者がある場合において、相当と認めるときは、権利者の申立により、義務者に対し、相当の期限を定めてその義務の履行をなすべきことを命ずることができる。 第15条の7 家庭裁判所は、審判で定められた金銭の支払を目的とする義務の履行について、義務者の申出があるときは、最高裁判所の定めるところにより、権利者のために金銭の寄託を受けることができる。 第16条 民法第644条、第646条、第647条及び第650条の規定は、家庭裁判所が選任した財産の管理をする者について、同法第27条から第29条までの規定は、第15条の3第1項の規定による財産の管理者について準用する。 |